親しみと威厳が伝わってくるスペースシャトル

1970年代にスペースシャトルのプロジェクトが初まった頃、この機体の原案は失笑をかったらしい。宇宙空間を移動する乗り物としては格好が悪くて、まるでミッキーマウスだと揶揄されたそうだ。もっと流線型でSF映画に出てくるようなデザインもあったが、結局このずんぐりとした現実的なデザインが採用され今日に至る。

私はスペースシャトルに関するなんの予備知識も持たずにここに来た。だからエンデバーの性能や機能など全く知らないし、どれほどの大きさなのかさえも知らなかった。でも宇宙空間を旅してきた乗り物に出会えるこの機会に胸をときめかせた。

サイエンスセンターに入り長い列に並ぶと、30分ほどでエンデバーの格納された建物にたどり着く。もっと近未来的な展示場を期待していたが、地方の空港にある倉庫のような建物に少しがっかりした。

小さく開いた鉄の扉からその建物に足を入れる。スペースシャトルのテーマ曲なのか宇宙をイメージするような音楽が聞こえてくる。何かの展示イベントやオートショーとは少し異なる雰囲気が伝わってくる。それは例えば、コンサートにやってきたような感覚に近い。

そしてエンデバーの全体を目にしたとき、しばらく私は動けなくなった。ただの機械なはずなのに何かの生命体ような威厳さえ伝わってくる。それほど大きいというわけでもない。例えばスペースシャトルは旅客機の上に載せて運べるくらいの大きさなので、宇宙船としては小さいのかもしれない。(全長37.2メートル、翼幅23.8メートル、重量78.8トン)

後部のむき出しのエンジンノズルと垂直尾翼に圧倒される。機体の側面は決して滑らかではない。意外にも繊維のようなごわごわした材料で覆われている。そしてミッキーマウスのようなノーズ部と翼の下には耐熱タイルが整然と埋め込まれている。その表面には、大気圏に突入する際の過酷な傷跡が見て取れる。ところどころ欠損している部分もある。

機体は耐震装置の備え付けられた支柱で高い場所に設置されている。子供はもちろん大人でも手が届かない。それがとても残念だった。ぜひこの機体に触れてみたいし、できればコックピットの中に入れるようにしてほしいと思う。この機体には子供たちの夢が詰まっているはずだ。

エンデバーはロスアンゼルスのこの地が最後のミッションとなる。もう宇宙空間へ飛び立つことはない。スペースシャトルは過去にいくつもの事故があった。尊い犠牲もあった。私はエンデバーの周りを歩きながら「お疲れ様でした」と声をかけた。

 

カリフォルニア・サイエンスセンターのエンデバーに関する情報

California Science Center
http://www.californiasciencecenter.org/
700 Exposition Park Drive Los Angeles
TEL: 323-724-3623

エンデバーのスナップアルバム

ロケーションマップ 「エンデバーはここで待っている」

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