【無料で学ぶリスニング英語】フィンランド/ サンナヴィラの物語 「私がシンプルな暮らしを選んだ理由 」
この動画で話している内容はこんな感じ
この動画では、なぜ私がフィンランド北部でシンプルな暮らしを選んだのか、そのストーリーをシェアしたいと思います。
私は以前、フィンランド南部の都市にある大学に通い、夢だったキャリアを目指して勉強していました。勉強が好きで成績も良かったのですが、都会の生活や仕事の環境がどうしても合いませんでした。日常生活でも気持ちが押しつぶされそうになることが多く、しだいに心身に不調があらわれるようになってしまいました。
医者からは、うつ病と不安症があると診断され薬を処方されましたが、私にとって本当に必要なことは自然の静かな環境の中で過ごすことだと感じていました。でも、そんな時間を取れるのは週末くらいで、また平日に戻れば苦しくなる状況でした。
その頃、私は旅行に出かけることで自分自身を癒やしていました。ほとんどの収入を旅行に使い、遠くへ行くことで日常から逃れようとしていました。でも、どんなに旅をしても心からの満足は得られませんでした。むしろ、自分に合わない生活を無理に続けていたことが、心にも体に悪影響を与えていたのでしょう。
ある日、無意識に「北に行こう」と思い立ちました。友達も家族も驚いていましたし、自分でも「なぜ?」と思いながら、とにかく小さなキャビンを借りてラップランドに移住しました。最初は慣れないことばかりでした。都会の便利な生活とは違い、暖房も雪かきも全部自分でやらないといけないし、周りには知り合いが一人もいませんでした。でも、そういった不便さがなぜか心地よくなっていったのです。
自然の中で過ごす時間は、私にとって癒しそのものでした。都会の生活では、押し寄せてくる感情や音そして人混みに圧倒されていましたが、この広大な自然の中では自分を取り戻すような感覚がありました。
子供の頃のように創造力が湧いてきて、写真を撮ったり、ブログを書いたりと、自然をテーマにした創作をするようになりました。それらを続けているうちに写真展を開いたり、オンラインショップを始めたりと積極的な行動をするようになりました。
また、「ラップランドファミリー」と呼び合うほど親しい友人を見つけました。そして人生のパートナーともここで出会い、夢だった家を二人で購入し、来年結婚する予定です。この厳しい北国の自然の中で、シンプルな生き方を共有できる仲間にであえたことは本当に幸せなことだと思います。
もちろん、今も不安やストレスを感じることはあります。でも都会の生活とは違い、周りの自然や仲間のおかげで心に余裕を持つことができています。お金をたくさん得るわけではありませんが、ここでは消費することも少ないので、それ以上に自由な時間を手に入れることができます。
最後に伝えたいことは、「自分の心の声に耳を傾けてほしい」ということです。私のようにシンプルな暮らしが合う人もいれば、違う形で自分らしさを見つける人もいるでしょう。たとえ小さな声であっても、その声には大切なヒントが隠れているかもしれません。
これが私の北国でのシンプルな暮らしを選んだ理由です。もしあなたが、何か新しい一歩を踏み出す勇気を探しているのでしたら、どうかあなた自身の内なる声に耳を傾けてください。それはきっと、あなただけの物語のはじまりになるでしょう。
リスニングのポイントとなる英単語と意味
- 物語のプロローグ
Finland - フィンランド
farmhouse - 農家の家
countryside - 田舎
village - 村
photographs - 写真
inspiration - インスピレーション - 学生時代と都市生活で感じたストレス
university - 大学
career /kəˈrɪr/ - 職業
environment - 環境
overwhelmed - 圧倒された
depression - 鬱
anxiety - 不安
doctors - 医者
pills - 薬
nature - 自然 - 旅行先での自然の触れ合いと移住への思い
escape - 逃避
cultures - 文化
searching - 探している
experiences - 経験
running away - 逃げる
society - 社会
stress - ストレス
confused - 混乱した - 北国の厳しい暮らし
Lapland - ラップランド(フィンランドの最北部の地域)
spontaneous - 自発的な
cabin - 小屋
challenges - 挑戦
plowing - 除雪
adventuring - 冒険 - 自分自身の再発見
shy and timid - 内気で臆病な
sensitivity - 感受性
creativity - 創造性
freedom - 自由
expression - 表現
writing - 書くこと
photography - 写真撮影
filming - 撮影 - 新たな出会いと将来
community - コミュニティー、共同体
values - 価値観
soulmate - 心の友
partner - パートナー
roots - 根
belonging - 帰属感
wedding - 結婚式 - シンプルライフの価値観
heal - 癒す
inner self - 内なる自分
silence - 静けさ
consume - 消費する
overwhelming - 圧倒的な
situations - 状況
mental health - 精神的健康 - エピローグ
courage - 勇気
intuition - 直感
struggles - 苦悩
healing - 癒し
growth - 成長
thrive - 繁栄する - 文脈でおさえておきたい英単語
weather - 天気
hardness - 厳しさ
emotions - 感情
harsh - 厳しい
simplicity - シンプルさ
identity - アイデンティティ
strength - 強さ
opportunity - 機会
independence - 自立
overcome - 克服する
perspective - 視点
fulfillment - 満足感
patience - 忍耐
動画を見ての感想
全体的にゆっくりと語りかけるように話してくれているので聞き取りやすくて、一つひとつの単語がひろえなくても理解できる内容だった。
「I had a spontaneous idea」の spontaneous は、自発的なという意味があるが、文脈からは「私は突然思いついた」と解釈したほうが分かりやすいと思う。
すぐに意味の分からなかった単語 に「plowing 」というのがあって、耕すという意味ではあるが、ここでは雪かきと理解している。「plowed sidewalks」は除雪された歩道で、「plowing snow」は雪を耕すではなくて除雪である。ほぼ南カリフォルニアでは聞かない単語である。
「depression」鬱は、日本語でもディプレッションと使っている人がいるので馴染のあることばになってきている。「anxiety」不安は、ディプレッションと対になって出てくるので、二つをセットで覚えておきたい。「Anxiety disorder」不安障害もよく耳にする単語である。
それにしてもこの方は、心身ともにぼろぼろの状態でありながら、よくぞ自然の厳しい見知らぬ土地に移住できたと思う。そしてその厳しい環境が彼女を癒やしてくれた。もう少し症状が悪くなっていたら移住する気力さえも失っていたかもしれない。人にはそれぞれの転機というものがあって、その一瞬を見逃してはいけないと強く感じた動画だった。「どうかお幸せに」